全国3万2千社にのぼる稲荷神社の総本社である「伏見稲荷大社」は、「山宮」として稲荷山にたくさんの「お塚」( 神蹟(しんせき))を包括しています。
お産場稲荷は、「山宮」巡拝(お山すると言われている)の中で最後にお参りする神蹟で『願いをかけて“お山”して来た事が産まれる場所』として昔から参拝者でにぎわっています。お産場のこんもりとしたお塚の台地に、昔、神の使者である狐夫婦が土穴を掘って住み、子を宿し、産まれた子狐をいつくしみ、育てる愛情がまこと安らかなものであったそうです。この様な事から「狐神は人の子を守護する」という古い信仰が生まれております。そして、お産場のお塚も、“子宝・安産”の神様として信仰されるようになりました。
現在、このこんもりとした台地の周囲には12ヶ所の狐穴があり、拝殿に向かって左から時計廻りに1月穴〜12月穴となっています。ろうそくを献燈し拝殿にお供えと共に祈りをささげ、予定産み月の狐穴に祈願すると、無事、安らかに産まれると言われております。
狐穴周辺のようす
各月の狐穴の拡大画像はこちらになります。(クリックすると別ウインドウ表示されます)
お参りされる心持ちで御手を合わせていただければ幸いです。
「お産場稲荷・お産場茶屋」を含めた伏見稲荷大社の、「お山」全体の案内図 は、こちらになります。
「山宮巡拝」の一助に、ぜひご活用ください。
このお塚のお世話をし、参拝される方々の「お供え」「ろうそく」、子宝・安産の「お守り」「絵馬」、祈願・お礼の「鳥居」「安産帯」などを受け賜るお産場茶屋が、神蹟前にあります。
参拝の方はここで和ろうそくを貰って献燈し、お店で用意している小さいろうそくを代わりに持って帰られます。
そのろうそくを妊婦の方が分娩室に入られた時に神棚へ献燈する事によって、小さいろうそくの火がなくなる短い時間で「お産」が済むと言い伝えられているからです。この様な事がお産場には昔から伝わっており、ご本人のみならず全国から代参の方々にも多数参拝して頂いております。
お産場茶屋